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日記

2017/10

2017年10月29日

40年目の悲憤慷慨









私の自宅マンションの南側には、様々な樹木が生い茂る小さな森が隣接しています。
都会では贅沢といえる緑豊かな眺めに惹かれ住みついて、今年の11月で早40年。
四季折々の植物の変容や飛来する野鳥たちが、どれほど安らぎと癒しを与えてくれた事か。
この環境が40年もの間、私の創作活動を支えてくれたといっても過言ではありません。
ところが…! 今やその森が消滅の危機に瀕しているのです。

長年東京都が管理していたその土地が、昨年元々の地主(あちこちに土地を持つ中年女性とのこと)
の所有に戻り、更地にするという話が出ていたと、つい最近知りました。
その後、近隣住民に更地にする目的の説明も一切ないまま、9月には土地の一部を削って作業車2台分の駐車場を設置し、やがて森の中から作業音が聞こえるようになりました。
作業員は整備するだけと見えすいた嘘しかいわない。
そして昨日、朝からチェーンソーが鳴り響き、初夏に白い小花を沢山咲かせたイヌザクラの木を容赦なく切ってしまいました。ベランダで立ちつくす私の目の前で…!
悲しさと切なさで、胸がいっぱいになり、ネームを作る集中力も失せてしまいました。
これから次々と沢山の樹木たちが伐採される惨状が続くのかと思うと、心が痛んでまともに仕事が手につくのか危うい気持ちがします。

でも、営業妨害だの自然破壊だのいっても、一切の説明を拒否する誠意のない手練れの建設業者(地主と一体かも?)には馬耳東風なのでしょう。
近隣住民は困惑しながらなりゆきを見守るしかない状況です。
私が思うに、五輪がらみで何でもありのこのご時世、馬事公苑の沿道にあるこの土地を有料駐車場にする計画では? あくまでも個人の憶測ですが。
その馬事公苑の豊かな森も今は昔。スカスカの更地と工事現場になってしまった。
一か月間の祭りのために、人々は何を得て、何を失うのか。

否応なしに伐採される樹木たちには、40年間豊かな自然をありがとうと感謝するしかないのだろうか。
この先心穏やかに仕事ができるのだろうか…。
眼精疲労で休んでばかりの日記ですが、この悲憤を書かずにいられなくて、長文になりました。
楽しい話題でなくて申し訳ありません。

昨日姉から聞いた話。
私の姪っ子の長女があの清宮君とは同級生で、クラスでは誰も野球の話はしないんだとか。
きちんと弁えているんですね。彼はフツーの子だそうです(笑)。
少し明るい話でした。