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日記

2007年12月25日

メリー・クリスマス

クリスマスとは関係なく、ずうっと仕事をしていますが、とりあえずご挨拶申し上げます。
今年の年末は30日まで仕事をして、大晦日に帰省するという忙しさです。年が明けたらもっと忙しくなりそう。こんな忙しさは滅多にないので、腹をくくって頑張るつもりです。
「アルカサル」の外伝を描いています。まずはコンスタンシアの、いわば女の一生もの。夫のジョン・オブ・ゴーントの資料が日本ではあまりないようなので、英国の学者の書いた全440ページの伝記を、必要な部分だけ翻訳してもらって参考にしています。以前調べたスペイン側の資料での見方と、英国側の見方は違っているのは当然ですが、ランカスター公がイベリア半島に関しては、コンスタンシアの意見を大変尊重していたことは、双方で共通していました。事実関係を細かすぎるほど調べて書かれているので、読むだけで頭の中がぐるぐるになりました(泣)。記述傾向にスペイン人と英国人の気質の違いを感じたりします。ジョン・オブ・ゴーントは、一般的には少年王を牛耳った黒幕的なイメージがありますが、こういう芳しくない人物を取り上げる学者は、メリメ先生もそうでしたが、対象への愛が満ち溢れていて、とても面白かったです、仕事でなければ(笑)。
60ページの漫画の中に、膨大な資料をどうやって入れようかと、欲張り者の私は自業自得の四苦八苦ですが、世界史の授業で必ず習うメジャーな事件も起こりますのでお楽しみに。
舞台が英国なので、今までの資料が使えないのも苦労です。スペインやフランスの中世の城砦は修復か再利用で沢山残っていますが、英国では壊れたまま。あの国にはメリメもヴィオレ・ル・デュクも居なかったのが残念。というわけで、アシさん達と仕事に励むクリスマスです。